<質問>

義父母には以前住んでいた栃木県小山市に50坪ほどの住居と 80坪ほどの工場があります。
今、空き家となっている工場を貸してほしいという親戚がおりまして、 物置として工場をただで貸しております。 義父母はただで貸してもいいけれども、自分の老後の安心と、 娘夫婦や孫のために財産は残しておきたいと考えております。 これから先、小山市に住む予定もなく、土地、建物の管理も難しいことから、 ただで貸してもいいのですが、長年の間に返してもらえなくなることを恐れています。
そこで質問ですが、ただで貸している場合、いつでも返してもらうことは可能でしょうか。 この場合も契約書のようなものをかわしておかなければいけないのでしょうか。
固定資産税や相続税を考えると、娘夫婦としてはこれに相当する額を25年くらいで割って月々の使用料としてお支払い頂くか、 さもなくばいずれ相続時、物納になることを考えれば売り払った方がすっきりするようにも思うのですが。 いかがなものでしょうか。
なお、工場は鉄骨で築20年になります。ご助言の程、よろしくお願い申し上げます。

<回答>
一般に物の貸し借りは中途半端な権利関係です。
長い間には、お互いの気持の変化、周囲の環境の変化、それまでのいろいろな事実関係により、 当初の思惑とは違った状況になることが多いものです。
「ただ」で貸していても、その住居等に修繕を施したりしなければならなくなったりすると、やっかいなことになります。
法律では、「ただ」で貸したときは、物の返還時期は契約で定めた時期に返還しなければならないことになっており、
契約でその時期を定めないが使用目的を定めた場合には、その目的に従った使用収益が終わったときに返還。
返還時期も使用目的もさだめなかったときは、いつでも返還請求を貸主側からできることになっています。
しかし、借主が貸主の返還要求にすんなり応じてくれれば、問題ありませんが、 先に述べた思惑の違い等からすんなりと応じてくれない可能性もあることは考えておかなければいけません。
この場合にも、法律的解決は可能ですが、感情的対立は残ります。

例えば、なれあい関係で個人間でお金の貸し借りをすると、それが基で人間関係がこわれることは、往々にして起こりうることです。
「ただ」で貸す場合は、「ただ」で与えると思った方がよい場合もあります。
いくらかでも使用料をもらった場合は、法律上では賃貸借になるか使用貸借になるかで、問題となる可能性を残します。 賃貸借となれば、借地借家法という法律によって借手側が極めて厚く保護されることになる場合もあります。
御質問のように、売却するのがすっきりするとは思いますが、
やむを得ず、貸借する場合でも、明確な契約をして、契約内容を書面で残しておいた方がよいと思います。

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