<質問>

  裁判所の競売入札に参加しようと考えていますが、
  1.一般的注意事項
  2.競売物件の建物の2階が賃貸されている。
      裁判所の資料では、「賃借権は抵当権に後れ、その期間が10年である
      から、買受人に対抗できない。」と記載されている。
  3.その土地、建物の登記簿の「所有権以外の権利」(乙区)に「根抵当権
      設定仮登記」があるが、これは何?
  4.競売物件が落札されても、「賃借人は建物で3年、土地で5年は立退く
      必要はない。」と聞きましたが、本当でしょうか?

<回答>

  1.一般的注意事項
      最近は、バブル経済の崩壊の影響かもしれませんが、競売物件が増えて
      いるそうです。
      ところで、競売物件は、いわゆる「事故物件」です。
      通常の不動産業者の販売する商品のように、ていねいに手入れされた物
      ではありません。「きず物」です。
      このことを承知で購入されるべきでしょう。

  2.賃借権
      競売物件には、賃借権がついている場合が多いのですが、「対抗」でき
      るものかそうでないものかによって、買受けた人の方から申立ててその
      賃借人に出ていってもらえるかどうかが決まります。
      裁判所の競売は、主に抵当権にもとづく競売(裁判所の事件名に(ケ)
      がついているもの)と、強制執行による競売(事件名に(ヌ)がついて
      いるもの)がほとんどです。

      抵当権による競売の場合は、一番最初の抵当権が登記された日付を基準
      に、また強制執行の競売の場合は、差押えの登記の日付を基準に考えて、
      それより賃借人がその建物を借りて入居した日が早かったらその賃借権
      は対抗力があることになり、遅かったら対抗力がないことになります。

      しかし例外として、短期賃貸借は遅くても対抗力があるとされています。
      短期賃借権というのは、建物については3年、土地については5年の期
      間を定めて契約した場合です。また、建物については、期間の定めなく
      契約した場合は、短期賃貸借だとされています。
      裁判所の資料に「賃借権は抵当権に後れ、その期間が10年であるから、
      買受人に対抗できない」と書いてあったのは、抵当権の登記より後に入
      居し、短期賃貸借でもないから、買受人が引渡し命令の申立てをすれば
      出ていかなければならない借家人がいますよということです。

  3.根抵当権設定仮登記
      一般に登記は、早い者勝ちの制度です。
      仮登記は順番を予約しておくようなものです。あとで本登記をその仮登
      記の順番でできるというものです。したがって、本登記がないのなら、
      何にもなりません。もちろん競売されれば、自動的に消されます。

  4.賃借人は、建物は3年、土地は5年立退く必要はないのか?
      これは2.で述べたように、裁判所が短期賃貸借だと認めたものは、そ
      れぞれの短期賃貸借の残りの期間は、立退く必要はないことになります。
      貴殿の場合には、買受けた人から、代金を支払って6ヶ月以内に引渡し
      命令の申立を裁判所にすれば、立退かなければならなくなるでしょう。
      それでも立退かなければ、強制執行を執行官に申立てることになります。
      いずれにしても、時間と費用はかかりますね。

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